補聴器を両耳装用するメリット
「補聴器って、片耳につけるだけでもいいんじゃないの?」
確かに、難聴が片方の耳だけという方もいますし、まずは片耳だけでスタートする方もいらっしゃいます。
しかし、両耳に補聴器をつける「両耳装用」には、聞こえの快適さに影響するメリットがたくさんあります。
今回は、両耳装用の主なメリットについてわかりやすくご紹介します!

片耳装用と両耳装用のちがい

人は、左右の耳から入ってくる音を脳で統合し、方向や距離を感じ取ったり、必要な音を選び取ったりしています。
片耳しか補聴器を使っていない場合、このバランスが崩れてしまい、日常生活の中で不便さを感じることがあります。
たとえば…
・誰かが後ろから呼んでも、どこから声がしたのか分かりにくい
・会話は聞こえるけど、なんとなく聞き取りにくい
このような困りごとは、両耳装用で大きく改善できる可能性があります。
また、「JapanTrak」という補聴器に関する実態調査にて、片耳装用よりも、両耳装用の方が満足度が高いとの報告もあります。
以下、JapanTrakでの調査結果が掲載されているサイトになります。
気になる方はぜひチェックを!
両耳装用のメリット
メリット①:方向感・距離感がつかみやすい
両耳装用の一番大きな特徴は、「音の方向感」がつかみやすくなる点です。
片耳だけでは、音の位置情報がうまく把握できず、後ろや横からの音の方向を間違えやすくなります。
一方、両耳で音をキャッチすると、脳が左右の耳で感じた時間差や音の強さの違いを手がかりに、音源の方向や距離を判断しやすくなります。
たとえば、外を歩いているときに車や自転車が近づいてくる方向がすぐに分かるので、安全面にも役立ちます。
メリット②:雑音下の聞き取りが良くなる
両耳装用で、会話の聞き取りやすさがグッと上がることが多いです。
特に、騒がしい場所では片耳装用だと雑音に紛れてしまい、相手の声が聞き取りにくいことがあります。
両耳装用なら、両方の耳から入ってきた音の情報を脳が処理することで、より聞き取りやすくなります。
メリット③:音量を上げすぎなくて済む
片耳装用の場合、両耳分を片方だけで補うことになるので、どうしても音を大きく設定しがちになります。
しかし音量を上げすぎると、かえって雑音も大きくなってしまい、不快感や疲れの原因になることもあります。
両耳装用なら、左右で音を補い合うことができるので、無理に音を大きくする必要がありません。
適正な音量でも十分に聞こえやすくなるため、耳への負担を減らすことにもつながります。

片耳装用のメリットはある?
両耳に補聴器をつけることで、多くのメリットがあります。
しかし、片耳装用が向いている方や、片耳装用で問題ない方もいらっしゃいます。
・両耳の聴力レベル差が大きい(聴力が悪い方の耳につけても効果がない)
・予算の都合で片耳のみ購入
中には予算面で片耳装用を希望される方もいらっしゃいますが、補聴器の価格帯は幅広くあります。
片耳で高価格を選ぶよりも、比較的低価格で両耳を購入する方が結果的にメリットは大きいです。
両耳と片耳、違いを実感してみたい方は…
「両耳装用と片耳装用、自分がどっちに向いているかわからない……」
そんなときは、まず試してみるのが一番です!
あいち補聴器センターでは、両耳装用・片耳装用のどちらもお試しが可能です。
実際に数週間、自分の生活環境で試してみることで、両耳装用のメリットをしっかり体感できます。
また、あなたの聴力レベルや生活状況を考慮して、両耳と片耳、どちらが向いているかという提案も可能です。
違いを実感したい方は、ぜひお気軽にご相談ください!

この記事を書いた人

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言語聴覚士として、聞こえについての情報を発信していきます!
本と音楽とアイドルが好きです!
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