デジタル補聴器ってすごい!

スマートフォンをはじめ今は電子機器というものが私たちの生活に欠かせないものになっています。

その流れというものは補聴器にもきており、今世の中に出ている補聴器のほとんどが『デジタル補聴器』と言われているものです。

昔はアナログ補聴器といい純粋に音を大きくするというものでした。

そのため、不必要な音までも大きくしてしまい調節が中々うまくいかないこともありました。

対して今のデジタル補聴器はより細かく調整したり、必要な音のみを拾ったりできるようになりました。

今回は、そんなデジタル補聴器についている特徴的なものを書かせて頂きたいと思います!

チャンネル数

2チャンネル例
2チャンネルの例
6チャンネル例
6チャンネルの例

デジタル補聴器は、音の高さを幾つかのブロックに分割して音を大きくしたり、小さくしたりすることが出来ます。

チャンネル数は、人が聞ける高さの音を何個のブロックに分けているかの数を表しています。

基本的には分割数か多いほどより細かく調整ができ、一人ひとりの聞こえに合わせた音が作れます。

上の図で示すと、左が2チャンネル、右が6チャンネルです。

2チャンネルの場合だと、125~1000Hzのブロックで音量の上げ下げを、1000~8000Hzまでの1ブロックで音量の上げ下げをおこなうことが可能です。

6チャンネルの場合だと、125~250Hzのブロック、250~500Hzのブロック、500~1000Hzのブロック、1000~2000Hzのブロック、2000~4000Hzのブロック、4000~8000Hzの各ブロックで音量の上げ下げが可能です。

福子ちゃん

チャンネルが細かくなると、より細かく調整が出来るようになるのね!

福祉くん

そうだね。この音の高さだけ大きくしたい!ということができるしね。
チャンネル数が少ないと、大きくしたり小さくしたりしたくない音も一緒になって動いてしまうからね!

指向性(しこうせい)

カメラで焦点を当てる
指向性はよりはカメラでいうと焦点(フォーカス)を当てるイメージです
ピンポイントで指さす
高性能なものだと必要な音を自動で見極めて指向性を働かせます!

指向性とは、音を拾いたい方向以外の音をできるだけ拾わないようにして、音の拾いたい方向の聞き取りを良くするものです。

少し前の補聴器は、無指向性といい全方向の音を平等に拾っていました。そのため人の声とそれ以外の音も同じように拾ってしまっていました。

指向性の機能がついてからは、より人の言葉を選択的に拾うようになり言葉の聞き取りをよりスムーズにできるようになりました。

高性能のデジタル補聴器になると、自動的に聞き取りに必要な音を分析しそちらの方向に指向性をあてたり、音を拾う範囲をより絞り込むことができます。

福子ちゃん

確かに、人と会話をしている時とかに周囲の音が入ってきてしまったりしたら気になってしまうわよね。

福祉くん

そうだね。よく聞こうとするとそれだけ集中力が必要になるから疲れてしまうしね。

プログラムの自動選択

食事をする三人の若い女性
複数人で会話をするためのプログラムもあります
外でガッツポーズをする男性
騒がしい場所のためのプログラムもあります

静かな場所では、小さい声を拾えるようにするプログラムを選択したり、

うるさい場所では、騒音を抑えるようにするプログラムを選択したり、

複数話す人がいる場所では、人の声を拾うプログラムを選択したりなど、補聴器では色んな場面に適したプログラムを選択できます。

少し前の補聴器は、プログラムを切り替えるボタンがついており、手動で切り替えていました。

最近のデジタル補聴器では、その場に適したプログラムを自動選択されるので補聴器を使っている人が操作をする手間がなくなりました。

また高性能の補聴器になりますと、人工知能が入っているものもあり、何百・何千のパターンの場所を学習し、その場に合うプログラムを選択するものもあります!

福子ちゃん

人工知能って、今すごい注目されているものね!

福祉くん

自動で切り替える上に精度も技術の発展に伴って、上がってきているよ!

ハウリング抑制機能

ハウリングイメージ
ハウリングが起きるとキーンと嫌な音がなります
カラオケのマイクを近づける
カラオケのマイク同士を近づけるとハウリングを起こすことがあります

補聴器がうまくはまっていなくて、すき間があるとそこから音が漏れてしまいます。そして、漏れた音を補聴器のマイクが再度拾ってしまい一回大きくされた音をさらに大きくしてしまい、ピーピーと不快な音を出してしまうことをハウリングと言います。ハウリング抑制機能はこれを抑えます。

この機能は比較的多くのデジタル補聴器に搭載してありますが、どの程度のハウリングを抑えることが出来るか器種や性能によって変わってきます。

福子ちゃん

カラオケでも歌っている時にキーンと嫌な音がなってしまったことがあるわよ…あれもハウリングなのね。

福祉くん

そうだね。カラオケのマイクのハウリング対策としては、マイクを手で覆わないことだね。

補聴器も同じくマイクの部分を手に覆ってしまうとキーンと嫌な音がなってしまうんだよ。

ワイヤレス(無線で機械同士をつなぐ)機能

ワイヤレス機器イメージ
ワイヤレス機能により補聴器にも様々な機器と繋がることができます!
スマートフォン
スマートフォンと繋がる補聴器も増えてきました!

最近のデジタル補聴器にはワイヤレス機能がついているものが増えてきました。

『Bluetooth』(ブルートゥース)という近い距離にある電子機器同士をつなぐための電波を利用するものが多いです。

このワイヤレス機能によって、リモコンやスマートフォンで音の調節やプログラムの切り替えなどができるようになりました。

その他、テレビやスマホの音を直接聞いたりすることも可能です。

福子ちゃん

Bluetoothってよく聞くけど、Wi-Fi(ワイファイ)との違いは、一体何なのかしらね?

福祉くん

Bluetoothは機器同士の接続に使うもの、Wi-Fiはインターネットの接続につかうものという違いがあるよ!

人の声の聞き取り

少し離れたところからの会話音や、小声を聞き取りやすくする機能や、

逆に大きすぎる声を小さくする機能がデジタル補聴器にはついているものもあります。

性能のよいデジタル補聴器になりますと、周波数圧縮機能(しゅうはすうあっしゅくきのう)と言って、低い音が聞けるけど高い音が聞きにくい人のために、高い音の成分を低い音の成分に変えて聞こえるようにするものもあります。

福子ちゃん

聞こえに問題があり補聴器をつかって、小さい声は聞きにくいけど、大きい声はとても敏感に反応してしまうって聞いたことがあるわよ。

そういった人たちにとっては、必要な機能になりそうね!

福祉くん

一般的にご高齢の方の聞こえは、高い音が聞こえにくい人が多いといわれているよ。

だから、高い音の成分を低い音の成分に変えることで、言葉の聞き取りが良くなる人は多そうだよね!

まとめ

今回は、デジタル補聴器のもつ様々な機能について書かせていただきました。

近年の技術の発展はとても早く、各メーカー様々な機能がついているもの多くなってきています!

いろんな機能が追加されて、より快適な聞こえを感じることができるようになりました。

しかし、その一方でいろんな機能がありすぎて、選ぶ際にどれが自分に合うのかわからなくなってしまうこともあるかもしれません。

(実際、私もはじめて補聴器のカタログを見たときは、いろんな機能がありすぎて混乱しましたし、理解するのにすごく時間がかかりました(笑))

そのため、お客様にぴったりと合う補聴器はどれかをしっかり見極めるためにも

補聴器販売店で販売員とご自身の生活している状況を話し合ったり、少しわからない機能や気になる機能があれば質問をしたりして

ご自身に最もあうというものを選んでいただければと思います!

この記事を書いた人

阿部
阿部あいち補聴器センター言語聴覚士
言語聴覚士として勉強した知識を生かして聞こえについての情報を発信していきます!
水泳と走ることが好きです。