補聴援助システム(ロジャー)はどこで活用できるの?
以前の記事で、補聴援助システムRoger(ロジャー)ご紹介させて頂きました。
この補聴援助システムは、学校を始め、職場、病院等さまざまな場所で活用されております。
もちろん、日常生活の中で使用されている方も沢山いらっしゃいます。
しかし、日々お客様と接する中で補聴援助システム(ロジャー)について「日常生活で具体的な使用場面が想像しにくい」というお言葉を頂くことがあります。
今回は日常生活の中で、補聴援助システムはどのような場面で活用できるのかについて書かせて頂きたいと思います!
以前の「補聴援助システム(ロジャー)について」の記事はこちらになります↓
補聴援助システム(ロジャー)とは?
補聴援助システム(ロジャー)は、補聴器だけでは聞き取りが難しい場面でことばの聞き取りを手助けするものです。
通常の補聴器は、補聴器に付いているマイクから約1.5mの範囲の音を集音してお耳に届けています。
ロジャーは補聴器本体のマイクは使用はしません。
補聴援助システムを利用するには、補聴器とは別で音声を拾うマイク(送信機)と音を受け取る受信機を用意をします。
マイク(送信機)は、話を聞きたい相手に持ってもらったり、近づけたりして使用します。
受信機は補聴器と接続をして使用します。
マイク(送信機)で拾われた音声はデジタル音声処理を施されます。
その音声を無線を通じて、受信機と接続した補聴器に直接届けられます。(接続範囲は10m以上)
マイクで直接拾った音声はデジタル処理を施され、無線を通じて直接お耳にお届けするため、周囲の雑音などの影響を避けて、人の声だけをクリアに聞くこと出来ます!
当店のHPで補聴援助システムについてご紹介させて頂きましたので、宜しければ下記もご参照ください!
補聴援助システムは どんな場面で使えるの?
補聴援助システムが活躍できる場面の一例になります。
- 喫茶店、スーパーマーケット、居酒屋など沢山の音に溢れている場面
- 病院の診察や窓口等でアクリル板越しで会話をする場面
- 講演会や会議などで離れた相手の話を聞く場面
補聴器自体には、雑音を抑える機能や会話を際立たせる機能はついていないのかしら?
もちろんついているものもあるよ。でも補聴器本体の雑音を抑える機能だけでは、聞き取りが難しいときもあるんだ。
そうなのね…。具体的にはどんなことが挙げられるのかしら。
上に書いてある3つの例を参考にして、次の段落から説明していくよ!
上記のような場面を想像してみてください。
①喫茶店、スーパーマーケット、居酒屋など沢山の音にあふれている場面
上記の場面では、周囲の他のお客様の話し声、店員さんの接客の声、食器のぶつかる音など多くの音に囲まれているかと思います。
そのような場面で、会話をしたい相手の声が小さかったり、周りの人の声が大きすぎたりすることは多々あると思います。
補聴援助システム(ロジャー)を使用するとマイク(送信機)で拾った音声を直接、補聴器(受信機)に届けることが出来ます。
聞きたい相手の補聴器の間に存在する音の影響が極力抑えてくれるので、まるで耳元で話してくれているかのように声をお届けすることが出来ます!
確かにあるわね。聞こえにお困りでない方でも、難しい場面になりそうですわ。
補聴器をお使いの方にとっては、更に難しくなってしまうよね。補聴器にも指向性といって、特定の方向からの音を聞きやすくする機能は付いているものはあるけど、それだけでは聞こえに満足できない場合に活躍できると思うよ!
病院の診察や窓口等でアクリル板越しで会話をする場面
新型コロナウイルス対策によって、アクリル板が設置されているところも多いと思います。
アクリル板が設置してあると、音がアクリル板にぶつかってしまい、補聴器に届く音は小さくなってしまいます。
アクリル板の大きさにもよりますが、最大で約20dBの音の減衰が認められるそうです。
補聴援助システムを使うことによって、マイクで拾った音声を無線で飛ばしてくれるので、アクリル板の影響を極力避けることができます!
また、マスクをつけることによっても、高音域(高い音で日本語の子音部分を担当)ことばの聞き取りはし辛くなってしまいます。
約20dBってどれくらいなのかしら?
普通の声が約60dBと言われていて大きめの声が約80dBと言われているよ!
普通の声と大きめの声だとかなり差があるような気がするわ💦
アクリル板に加えて、マスクとなると聞こえにお困りの方にとってはより大変になりそうね。
そうだね。マスク越しの会話に関しては、補聴器メーカーが出しているアプリを使えばマスク越しの会話の聞き取りを手助けするものもあるよ!
そうなのね。いろんなものを知って、自分に合うものが見つけていくのが大切になりそうね!
講演会や授業などで離れた相手の話を聞く場面
会議や授業など距離の離れた相手の声を聞き取ろうとする場面を考えてみます。
補聴器を使って音を聞く場合、補聴器本体に搭載されているマイクより、およそ1.5mの範囲の音を拾ってお届けします。
これ以上の距離になってしまうと、音が減衰されてしまい聞き取りが難しくなります。
更に、補聴器と話を聞きたい相手の間に存在する人の声や物音などがあると、聞き取りは更に困難になります。
補聴援助システムは受信機と送信機の間の距離は10m以上離れてた所でも使用できます。
bluetoothと同じ2.4G Hzの周波数帯域の電波を使用していますが、より途切れにくく、音質を保ったまま声を届けられることが特徴です。
軍隊とかが使用する無線音声レシーバーと同じ通信電波(通信手段)採用しているよ!
まとめ
この記事を書いた人
-
言語聴覚士として勉強した知識を生かして聞こえについての情報を発信していきます!
水泳と走ることが好きです。
この投稿者の最新の投稿
- 補聴器2024年5月6日補聴器の買替のタイミングについて
- 聞こえの応援団2024年4月14日デフリンピックの競技はどう行われているのか?
- 補聴器2024年4月5日お耳の障害手帳をお持ちの方の補聴器の購入について~「②お耳の障がい手帳習得後から補聴器の購入に至るまで」
- 聞こえについて2024年3月17日各地方自治体(市区町村)の補聴器購入費助成制度について