聴力測定の結果をみてみよう!①
『聴力測定の結果』はみたことあるけど、その詳しい見方は聞いたことない方や一度説明は聞いたことあるけど、もう一度知りたいという方はいらっしゃいませんか?
そんな方のために少しでもお役に立てれば嬉しいなと思い、記事を書かせて頂きます!
以前の記事で「そもそも聞こえの測定とは何か?」について書かせていただいたものになりますのでよろしければご参照ください。
聴力測定の結果の見方
聴力測定の、そもそもの目的は『それぞれの高さの音で聞き取れる、最も小さい音を調べる』ことであり、その結果は『オージオグラム』という聴力図(ちょうりょくず)で表されます。
今回はオージオグラムをみるにあたり、以下の流れで記事を書かせて頂きます!
目次
- オージオグラムの縦軸と横軸
- オージオグラムに使われる記号について
- 気導値と骨導値について
オージオグラムの縦軸と横軸
上の2つの図は、オージオグラムのまっさらな状態(測定の結果が何も記載されていない)のものです。
測定者は、ここに聴力データが入力し測定を受けた方に結果をお渡します。
まずは、オージオグラムの軸について説明させて頂きます。
オージオグラムの縦軸は、音の大きさを表しています。単位はdB(デシベル)です。
dBとは音響工学(音を扱う物理学)で使われる音の大きさを表す単位です。
上の部分(小さい数字)は小さい音を下の部分(大きい数字)は大きい音を表しています。
入力されている値(測定の結果)が上にあるほど、より小さい音が聞こえていることになるんだね!
以前の記事で音の大きさについて書かせていただいたものがあるので、よろしければご参照ください!
続いて、オージオグラムの横軸は、音の高さを表しています。単位はHz(ヘルツ)で表されます。
Hzとは、音の波が1秒間に何回振動するかを表します。
グラフの左端は低い音、右は高い音を表しています。
基本的に使われている音は、125Hz・250Hz・500Hz・1000Hz・2000Hz・4000Hz・8000Hzの7つよ。
健康診断とかでは、日本語で使われていることの多い1000Hz・2000Hz・4000Hzの3つらしいわ!
以前の記事で音の高さについて書かせていただいたものがあるので、よろしければご参照ください!
オージオグラムに使われる記号について
上の図は、オージオグラムに聴力測定の結果を入力したものの一例になります。
よく見て頂くと4つの記号があることが分かると思います。記号の一つ一つには、それぞれ表している結果が違います!
それぞれの記号が何を表しているかを示したのが下の表になります。
赤い 『 〇 』 | 右の気導値(きどうち) |
青い 『 × 』 | 左の気導値(きどうち) |
赤い 『 [ 』 | 右の骨導値(こつどうち) |
青い 『 ] 』 | 左の骨導値(こつどうち) |
気導値(きどうち)と骨導値(こつどうち)って急に謎のことばが出てきたわ・・・
下に、そのイメージ図と解説を載せているよ!
気導値(きどうち)と骨導値(こつどうち)について
気導値は、聴力測定専用のヘッドホンを通して聞く音を測定します。これは私たちが普段聞く音と同じルートをたどります。
左の図は頭を縦にスライスして、耳の中が見えた時のイメージです。
専門的なことばで言うと※1外耳(がいじ)→※2中耳(ちゅうじ)→※3内耳(ないじ)を通ります。
骨導値は、赤い丸で示した耳の後ろの骨(乳様突起=にゅうようとっき)から音を伝える特殊なヘッドホンを使用しを測定します。
そのため、気導値のように耳の穴(外耳=がいじ)や鼓膜(中耳=ちゅうじ)は音は伝わらず、直接内耳に音が届けられます。
※1 外耳とは、耳の外の部分を指し、音を集める役割をします。
※2 中耳とは、耳の真ん中の部分を指し、集めた音を大きくする役割をします。
※3 内耳とは、耳の奥の部分を指します。音の大きさや高さの情報を分析して、脳に伝える役割があります。
気導値は、外耳(がいじ)・中耳(ちゅうじ)・内耳(ないじ)のすべての聞こえを反映した結果になっているんだ!
対して骨導値は、内耳のみの聞こえを反映させた結果になっているのね!
まとめ
- オージオグラムの縦軸は音の大きさ、横軸は音の高さを表す。
- 記号は『〇 / × / [ / ]』の4つがあり、それぞれ右・左、気導値・骨導値の違いを表す。
- 気導値は普段聞いている音のルート(外耳・中耳・内耳のすべて)の結果を反映している。
- 骨導値は内耳(耳の奥にある音の大きさや高さを分析する部分)のみの結果を反映している。
次回以降の記事では、今回続きを書かせていただきたいと思います!
この記事を書いた人
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言語聴覚士として勉強した知識を生かして聞こえについての情報を発信していきます!
水泳と走ることが好きです。
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